
はぎしり・くいしばり

はぎしり・くいしばりは、無意識に歯を強く噛みしめたり擦り合わせたりする習慣のことです。睡眠中や日中に起こり、放置すると歯の摩耗や破折、顎関節症などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。このページでは、はぎしり・くいしばりの原因や症状、当院での治療法についてご紹介します。
はぎしり・くいしばりとは?
はぎしり・くいしばり(歯ぎしり・噛みしばり)は、医学的には「ブラキシズム」とも呼ばれ、以下の3つのタイプに分けられます。
- グラインディング:上下の歯を左右に強くこすり合わせるタイプです。歯が摩耗しやすく、音がするため家族に気づかれやすいのが特徴です。
- クレンチング:上下の歯を強く噛みしめるタイプです。音が出ないため気づきにくいですが、歯や顎に強い負担がかかります。
- タッピング:上下の歯を「カチカチ」と鳴らすタイプです。他のタイプに比べ負担は小さいとされています。
通常、リラックスした状態では上下の歯は2〜4mm程度離れていますが(安静空隙)、はぎしり・くいしばりの習慣がある方は口の周囲の筋肉が常に緊張し、このスペースが狭くなっていることがあります。
こんな方におすすめ
以下のような症状でお悩みの方は、はぎしり・くいしばりが原因かもしれません。
- 朝起きた時に顎や頭が痛い・だるい
- 歯が徐々に削れてきている、欠けやすい
- 詰め物や被せ物が頻繁に外れる
- 顎関節に違和感や痛みがある
- 顎がカクカク鳴る、口が開けにくい
- 慢性的な頭痛や肩こりに悩んでいる
- ストレスを感じやすい生活を送っている
- 歯科医師から「歯ぎしりをしている」と指摘された
- 家族から「寝ている時に歯ぎしりをしている」と言われた
- 頬の内側や舌の縁にすじがついている
当院のはぎしり・くいしばり治療における特徴
当院では、はぎしり・くいしばりに対して以下のような特徴ある治療を行っています。
- 個室診療で周囲を気にせずリラックスして相談できる環境
- カウンセリングルームでの丁寧な症状や生活習慣のヒアリング
- デジタルレントゲンによる精密な顎関節の診断
- 患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせたオーダーメイドのマウスピース作製
- 歯科用拡大鏡を用いた詳細な歯の磨耗状態の確認
- ペン型口腔内カメラによる現状の視覚的な説明と共有
- 説明用アニメーションソフトを使用した分かりやすい治療計画の提案
- 生活習慣の改善やストレス管理に関するアドバイス
はぎしり・くいしばり治療のメリット
はぎしり・くいしばりの治療には以下のようなメリットがあります。
- 歯の過度な摩耗や破折を防止できる
- 顎関節への負担が軽減され、顎の痛みが改善する
- 頭痛や肩こりなどの関連症状が緩和される
- 詰め物や被せ物の寿命が延びる
- 睡眠の質が向上する可能性がある
- 将来的な歯の損傷リスクを減らし、歯の寿命を延ばせる
- 顎関節症の予防・改善につながる
- 歯周病の進行を抑制する効果も期待できる
はぎしり・くいしばり治療のデメリット
治療にあたって以下のようなデメリットもご理解いただく必要があります。
- マウスピースの装着に慣れるまで違和感がある場合がある
- 就寝時の装着が必要なため、習慣化するまで時間がかかることがある
- マウスピースの定期的なメンテナンスや交換が必要
- 根本的な原因(ストレスなど)によっては、併せて生活習慣の改善も必要となる
- 症状が重度の場合は、完全な改善までに時間がかかることがある
- 朝起きた時に一時的に顎のだるさを感じる方もいる
- 正しく保管しないと、マウスピースが不衛生になる可能性がある
当院のはぎしり・くいしばり治療の流れ

STEP1:初診カウンセリング
プライバシーに配慮した個室で症状や生活習慣についての丁寧なヒアリングを行います。
STEP2:精密検査
デジタルレントゲンや口腔内カメラで現在の状態を詳しく診断します。歯の摩耗状態、顎関節の状態、噛み合わせの状態などを確認します。
STEP3:治療計画の提案
検査結果をもとに、患者様に最適な治療計画をアニメーションソフトなどを使用して分かりやすく説明します。
STEP4:マウスピース作製のための型取り
患者様の歯に合わせた精密な型を取ります。
STEP5:マウスピースの装着・調整
完成したマウスピースを装着し、違和感や噛み合わせを丁寧に調整します。
STEP6:定期的なフォローアップ
マウスピースの装着状況や症状の変化を確認し、必要に応じて調整を行います。
STEP7:生活習慣のアドバイス
以下のようなアドバイスを提供します。
- ストレス軽減法や就寝前のリラックス方法
- スマホやパソコンの姿勢改善(目線の高さに合わせる)
- マウスピースの正しいお手入れ方法
- 顎周りの筋肉マッサージの方法
- 日中意識的に上下の歯を離す練習方法
日常生活でできるセルフケア
はぎしり・くいしばりの症状改善には、日常生活でのセルフケアも重要です。
顎の筋肉のマッサージ
咬筋(頬と顎の間の筋肉)や側頭筋(こめかみ周辺)を指で円を描くようにマッサージすることで緊張をほぐします。
正しい枕選び
高すぎる枕やうつ伏せ寝は歯ぎしりを悪化させることがあります。首を自然な位置に保てる枕を選びましょう。
日中の歯の接触を意識する
日常生活で無意識に歯を噛みしめていないか確認し、上下の歯が触れないよう舌を上顎につけて軽く口を閉じる習慣をつけましょう。
リラックスする時間の確保
入浴や軽い運動など、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。
就寝前のリラックス
寝る前にスマホやパソコンを見ない、穏やかな音楽を聴く、深呼吸をするなど、リラックスした状態で眠りにつきましょう。
当院では平日20時まで、土日も診療を行っておりますので、お忙しい方でも無理なく通院いただけます。歯ぎしり・くいしばりでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。